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●パリの街角から

「私たちの貴婦人」

【パリのノートルダム寺院】

突然ですが、皆さまはノートル ダム寺院をご存じでしょうか。
ノートル ダム寺院と言えば、フランスのパリにあるノートル ダム寺院(Cathedrale Notre Dame de Paris)が有名です。
ちなみに、ノートル ダム(Notre Dame)とは、フランス語で私たちの(Notre)貴婦人(Dame)という意味であり、聖母マリアのことを指します。そしてまた、ノートル ダムと名付けられた寺院は、聖母マリアに 捧げられた寺院であることを示します。
また、ノートル ダムと名付けられた寺院が、ここパリだけでなく、フランス各地や世界中にもあることをご存じでしょうか。フランス国内では、リヨン(Lyon)やマルセイユ(Marseille)、シャルトル(Chartres)など、いくつもの街に建立されています。そしてそのどれもが、街のシンボルとでも言うべき立派な建物です。
ちなみに、私くしもいままでにいくつかのノートル ダム寺院を訪ねましたが、いずれも本当に素晴らしく、印象に残るものでした。その中でも、特に思い出深いのは以下の3つです。

1つめは、フランスの北部、ランス(Reims)の町にあるノートル ダム寺院。その正面外観は素晴らしく、眺めていたら、「人間とは本当に不思議な生き物だ。こんなに素晴らしいものを造り上げてしまうかと思えば、その一方で、互いにいがみ合ったり、奪いあったり、殺しあったりもする…」なんて思えて来ました。さらに、聖堂の内部、一番奥にあるシャガール作のステンド グラスは、本当に美しいブルー。このブルーを見るためだけにここを訪れる価値があると思ったほどです。

2つめは、フランスの東部、ストラスブール(Strasbourg)の街にあるノートル ダム寺院。その尖塔は高さ142メートル。天を突き刺すようにそびえ立つその姿は、見る者を圧倒します。そしてまた、その素晴らしさのあまり、何度も何度も見上げてしまいます。

そして3つめは、やはりパリのノートル ダム寺院。この街に住んで8年、いつもその近くに住んでいたこともあり、とても身近な存在です。世界的な観光名所ですのでいつも賑わっているのですが(訪れる人の数は、年間約1,000万人)、夕方の、少し人通りが少なくなった頃などは、荘厳でとてもいい感じです。

【セーヌ河の岸辺に立つノートルダム寺院(左)】

なお、ノートル ダム寺院の多くが、着工から竣工までに長い年月をかけて造られたもの。
ランスのノートル ダム寺院:1211年~1475年(264年間)ストラスブールのノートル ダム寺院:1176年~1439年(263年間)パリのノートル ダム寺院:1163年~1345年(182年間)
いまのような建設機械がなかった時代ですから、その建設にはいくつもの困難があったことと思います。しかしそれを乗り越え、100年、200年という時間をかけて造られたのかと思うと、それに携わった人々の情熱や、それを維持させた目には見えない力のようなものを感じずにはいられません。
今回は、ノートル ダム寺院について少しだけお話いたしました。

 

参考)Wikipedia

ランスのノートル ダム寺院
ストラスブールのノートル ダム寺院
パリのノートル ダム寺院

阿部桂太郎

1965年8月22日生まれ。新潟県小千谷市出身。2003年よりフランス、パリ在住。インターネットショップ「フルール ド クール」を営む。好きなことは、旅をすること、食べること、温泉に入ること。