333DISCS PRESS

「お気に入りのクリスマスソングや本は?」

【naomi】好きなクリスマスソングは『I saw three ships』。
写真(右)は、大好きなクリスマスの本。
メトロポリタンミュージアムに売っていたもので、
世界のクリスマスの絵画や美術品とクリスマスソングの譜面がのっています。

【goro】クリスマスソングはどれも好きですが、Stina Nordenstamの『Soon After Christmas』 http://www.youtube.com/watch?v=nPsWT_3ypmo 、これがあれば他は何もいりません。

【tico moon 影山敏彦】『The Christmas Song』
【tico moon 吉野友加】『Silent Night』

【青芝和行】Keith Richardsの『Run Rudolf Run』です。
Chuck Berry作のロックンロール版赤鼻のトナカイをKeith Richardsがカバー。
Rolling Stones原理主義者としてはこれを選ばないわけにはいかないのです。
【チナボン】『クリスマス・イブ』山下達郎

【甲斐みのり】子どもの頃、キリスト教の母について毎年、教会のクリスマス礼拝へ行っていたので、クリスマスといえば賛美歌がしっくりときます。『もろびとこぞりて』の、「しゅはきませり」という言葉を気に入って、そこだけ特別に一生懸命、歌っていたのを思い出します。
おとなぶってポータプルのレコードプレイヤーで、スヌーピーのクリスマスのレコードもよく聴いていました。
それから、アンディ・ウォーホルの『Greetings from Andy: Christmas at Tiffany’s』という作品集も好きなクリスマスの本です。

 


【FALL 三品輝起】シューマン『子供のためのアルバム』の38番。
短編集『ムーミン谷の仲間たち』収録の「もみの木」。
ムーミン一家はクリスマスの意味をつゆほども解しておりません。

「おすすめの温泉はありますか?」

【naomi】オーストリアのバーデンバーデン
【goro】最近あまり温泉に行く機会がないのですが、つるつる温泉です。

【tico moon 影山敏彦】ほったらかし温泉・あっちの湯(山梨県)

【tico moon 吉野友加】ほったらかし温泉・こっちの湯(山梨県)
(注:山梨のほったらかし温泉には「こっちの湯」と「あっちの湯」があり、微妙に景観等が違います)

【青芝和行】伊豆蓮台寺、金谷旅館千人風呂:巨大な檜風呂

栃木奥那須 北温泉旅館:江戸時代末期から続く温泉旅館
堂ヶ島沢田公園露天風呂:駿河湾を見下ろす崖の上、ワイルドなロケーション。

【甲斐みのり】11月に、群馬県の法師温泉へ行きます!

与謝野晶子・若山牧水・川端康成も訪れたことのある歴史ある温泉宿「長寿館」へ。
国登録有形文化財に指定されている混浴の大浴場「法師乃湯」は、
国鉄のフルムーンのポスターに使われたことから有名になりました。
つげ義春と出会うことができそうな味わいがあります。とっても楽しみ。

【チナボン】長野の秘湯、奥山田温泉「満山荘」は眺めもお料理も最高でした!

【FALL 三品輝起】道後温泉(愛媛)と「星のや」のメディテーションバス(軽井沢)。


「今年のお正月の予定は?」

【naomi】Paris経由でVeneziaに行きます
【goro】何も決まってませんが、旅行にいきたいな~。何処かゆっくり出来る所に、、、

【tico moon 影山敏彦】家でのんびりしつつ、新しいアルバムの構想を練ります!
【tico moon 吉野友加】家でのんびりしつつ、夏に始めた模様替えの続きをします!

【青芝和行】普通にいつも通り仕事をしてそうな予感が。

【甲斐みのり】お正月やお盆など、街も人も「いつもと違う」ざわざわとした様子が昔からとても苦手で、早く普通の日に戻ることを祈りながらひっそり過ごしていると思います。けれども、たくさん料理がしたいです。おせちをつくったり。

【チナボン】ゆっくりして初詣して・・・あとはsugar plant ニューアルバムの準備でしょうか。

【FALL 三品輝起】実家。

●乙女歌謡

こんにちは。甲斐みのりです。333pressの乙女歌謡コーナーでは、日本語の歌に限らず、私が10代の頃に夢中になっていた、愛らしい歌をご紹介していこうと思います。

 

今回ご紹介するのが、marie laforetの「saint-tropez blues」。1960年フランス語の原題では「saint-tropez blues」、日本では「赤と青のブルース」というタイトルで翌年に公開された映画の主題歌。共演俳優のJacques Higelinは今、Pierre Barouhが設立したSaravahレーベルでミュージシャンとして活躍しています。 ストーリーは、南仏のリゾート地での、若者同士の恋物語。正直、お話しにひきこまれたのではなく、映画の中でmarie laforetが、パーティーの途中、ギターを弾きながら「saint-tropez blues」を歌うシーンに一目惚れし、そのシーンばかりを繰り返し観ていました。
http://www.dailymotion.com/video/x3h9u_saint-tropez-blues-marie-laforet_music
それから、二十歳前後、最初はどこか旅にでかけるときこの歌を必ず聴いていたのですが、その後は、「人生のテーマ曲」とまで語っていた時期もありました。最近になって、よくよく歌詞を訳してみると、とりわけ内容があるわけでありませんでしたが。映画の中のmarie laforetが、若かった私にはきらきら輝いて見えて、おとなの女性に見えたのです。それから憧れの象徴に。今でもやっぱり、旅行にでかけるときには必ず、この歌をカバンの中にしのばせてでかけます。

 

甲斐みのり

文筆家。1976年静岡生まれ。旅・お菓子・各地の食材・クラシックホテルや文化財の温泉宿などを主な題材に、女性が憧れ好むものについて書き綴る。http://www.loule.net/

●チナボンボンブック

■「人生は廻る輪のように」エリザベス・キューブラー・ロス

ほんとうにほんとうにすばらしい本!エリザベス・キューブラー・ロスは、1926年スイスに生まれ、その後結婚して渡米。全世界ですばらしい愛と奉仕の活動をした精神科医です。これは彼女が晩年にしたためた自伝なのですが、彼女の信念が随所にちりばめられており、読むと生きる勇気がもりもりわいてきます!

エリザベス・キューブラー・ロスは、ターミナルケア(終末医療)を確立した人と言われ、「死ぬ瞬間」という本の著者としても有名です。

彼女の人生は、多くの偉人の人生がそうであるように波乱に満ちています。国際平和義勇軍での難民救済活動、カントリードクターとしての活動、そして、「死」は医者の失敗・敗北として、それまで片隅に追いやられていた末期ガンや不治の病の患者たちの救済。彼女はその活動のなかで自然と「死」とはなんなのか?という科学や宗教を超えた研究に取り組んでいくことになります。が、医者である彼女がそういう”越境”をすることは、保守的な多くの医者からはなかなか理解されずに苦しみます。また、晩年には、エイズの子供たちのためのヒーリングセンター設立をめぐり、無知であるがゆえに理解のない地元の人々から、放火などさまざまな嫌がらせをされたり命をねらわれたり…。

それでも彼女は屈することなく彼女の「無条件の愛」を貫き通すのでした。とにかくすべての人に読んでもらいたい名著です。

 

■「パピヨン」田口ランディ

エリザベス・キューブラー・ロスを知るきっかけとなった本をご紹介します。

ナチス強制収容所をたずねたロス女史は、壁に描かれた無数の蝶の落書きを見つけました。はじめはそれがなにを意味するのかまったくわからなかったのですが、彼女の活動のなかで、それがありのままのたましいの象徴なのだと確信します。「死」とは肉体というさなぎから蝶になって飛び立つことなのだと。

この蝶=パピヨンと題された本書は、終末医療の先駆者エリザベス・キューブラー・ロスの取材をしているうちに、偶然にも(必然?)父の死に直面することとなったランディさんの記録です。彼女のエッセイや小説にはよく頑固な父親が登場し、彼との確執を隠さないできたランディさん。むずかしい父子関係になかなか素直になれず、さまざまな葛藤をありのままに描いています。が、ロス女史の取材を通じて、ありのままでいること、自分らしくあることに気付き、彼女なりの受容の段階を経てお父さんを看取ります。

なんだか身につまされるところもあり、こころがじんわりとあたたかくなる本でした。

 

チナボン
バンドsugar plantのヴォーカル&ベース、正山千夏のソロユニット。2005年伊藤ゴロー氏のプロデュースで「in the garden」(333DISCS)をリリース。1994年詩集「忘却セッケン」で第10回早稲田文学新人賞受賞。http://blog.livedoor.jp/cinnabom/