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●パリの街角から

「このひと時を楽しもう!」


こんにちは、フルール ド クールの阿部桂太郎でございます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。さて今回は、パリのレストランの楽しみ方についてお話したいと思います。

 

今から10年程前、新婚旅行で初めてパリに来た時のことを、私は、今でも良く覚えています。それは、レストランに入る時の、あのドキドキした気持ち…。

・どのお店に入ればいいのか
・お料理や飲み物は注文できるのか
・テーブルマナーは大丈夫か

…などなど。

なお、ご旅行でパリにいらっしゃる方々の多くは、多かれ少なかれ、同じようなお気持ちなのではないでしょうか。そこで今回は、この3つについて、私なりの思いを記したいと思います。

 

まず、「どのお店に入ればいいのか」ということについては、今や問題ではないのかも知れません。日本のファッション雑誌や旅行のガイドブックをめくれば、パリのオシャレなレストランが山ほど紹介されていますし、また、パリのレストランを紹介する本やインターネットのサイトも星の数ほどあるように思います。むしろ現在は、行ってみたいお店をあらかじめお決めになってから、パリを訪れる方が多いのかも知れません。

 

次に、「お料理や飲み物は注文できるのか」ということについても、あまり心配はないように思います。何故ならば、お料理であれ、飲み物であれ、すべてはメニューに書いてあるからです。
あとは、旅行のガイドブックの付録や、レストランを紹介する本の中に必ずと言っていいほど書いてある、お料理に関する基本的なフランス語と照らし合わせながら、選んでいただければ良いと思います。

 

なお、ここで大切なのは想像力をはたらかせること。フランス語のいくつかの単語を頼りに、それがどんなお料理なのかを思い描くことです。また、それ以上に大切なのは、結果的にテーブルに運ばれて来たお料理を見る瞬間も含めて、お料理やワイン選びを楽しむこと。レストランによっては、「○○の農場風」とか「××の漁師風」など、それだけでは何だか良く解らないような表現をメニューに用いているところもあるからです。

 

さらに、注文にはどんなに時間をかけても大丈夫。焦ることなく、ゆっくりとお選びください。そして、お料理の選び方にも決まりはありません。前菜、主菜、デザートと、すべてを注文しなければならないわけではありません。前菜と主菜だけでもいいですし、主菜とデザートだけでもいいのです。もっと極端なことを言えば、前菜だけもいいですし、主菜だけを二品注文したっていいのです。

 

最後は、「テーブル マナー」について。結論から申しますと、どうかお気になさらないでください。テーブルに着く時の立ち振る舞いがどうだとか、フォークやナイフをどんな風に使うとか、ナプキンはどこに置くかなんて、お店の人はもちろんのこと、周りのテーブルにいらっしゃるお客さんたちも気にはしていません。

 

最も大切なのは、あなた自身が楽しむこと。美味しいお料理を楽しみ、レストランでのひと時を楽しむことです。このことは、いわゆる高級店に行けば良く解ります。お店の人たちは、お客さんに楽しんでもらうことに常に注意を払い、何かにつけて気遣ってくださいます(しかも、ごく自然に)。

 

初めにも申し上げました通り、かくいう私もテーブルマナーを気にしていた一人…。 しかしこの国に住み、いろいろなレストランに出かけるうちに、気にしなくても良いことが解ったのです。いいえ、私が「テーブルマナー」といって気にしていたのは実はマナーでもなんでもなく、ただ「周りの人の目」だったのです。そして今になって思えば、私達日本人が普通のこととして身につけ、日頃から無意識のうちに行っているような立ち居振る舞いであれば、どこに行っても恥ずかしくはないと思います。

 

ただし、たった一つだけ気をつけていただきたいことがあります。それは、香水。過度に香水をつけることは、せっかくのお料理やワインの味や香りを台無しにするだけでなく、周りにいらっしゃる他のお客さんにも迷惑をかけてしまいます。

 

いつの日か、皆さまがパリにいらした時、楽しいお食事のひと時をお過ごしいただけますように…。今回は、パリのレストランの楽しみ方について、少しだけお話をいたしました。

 

阿部桂太郎

1965年8月22日生まれ。新潟県小千谷市出身。2003年よりフランス、パリ在住。インターネットショップ「フルール ド クール」を営む。好きなことは、旅をすること、食べること、温泉に入ること。