333DISCS PRESS

「今読みたい/読んでいる本があれば一冊ご紹介下さい」

【goro】平出隆『葉書でドナルド・エヴァンスに』。知人に借りているのですが全然進まない。

【naomi】iPhone FX入門

【tico moon影山敏彦】『チャイルド44』(トム・ロブ・スミス)を読んでいます。この後『グラーグ57』『エージェント6』と物語が続くので楽しみです。

【甲斐みのり】ムーミンのコミックス、読んでみたいなと思っています。『恋するムーミン』

【葉田いづみ】平出隆の著作を読もうと思っています。

【三品輝起】文庫版で出揃った『ローマ人の物語』全巻。

【青芝和行】キース・リチャーズ自伝『Life』を読みたいんですけど、がんばって英語で読むか和訳で読むか考え中。

【岩崎一絵】清水眞砂子『本の虫ではないのだけれど』。下巻も買いました。

「年末年始に楽しみなイベントは?」

【naomi & goro】11/5のカフェフェスではいちばん最初にライブします。

いつもと変わらず二人で演奏します。とても大きい会場ですがなるべくいつも通りに出来たらと思ってます。お楽しみに。

【tico moon】11月5日に開催される第1回カフェ&ミュージックフェスティバルに参加させていただきます!

tico moon二人のみの演奏に加え、スペシャルゲストに遊佐未森さんをお迎えし、弦楽器のスペシャリスト渡辺等さんと共に、カフェフェスの為の特別編成で演奏いたします。

【甲斐みのり】11月末に新刊『東京でお酒を飲むならば(仮)』が発売されますが

その発売記念イベントを12月に吉祥寺のLocaliteで開催予定です。

1月14日には横浜のホテルニューグランドでクラシックホテル講座をおこないます。
http://www.loule.net/news/

【葉田いづみ】12月3、4日にCLASKAで「New Jewelry」という展示会があります。

さまざまな作家のジュエリー・アクセサリーが展示販売されます。

【阿部桂太郎】家族と共に迎えるクリスマスとお正月。そして来年こそは、本当に良い年になりますように…。

【三品輝起】今年もFALLにて11月30日から12月11日まで、毎年恒例の美術家・武田晋一くんと陶芸家・比留間郁美さんの2人展があります。おすすめです!

【青芝和行】12月にビルボードでニューオリンズの女性シンガー、アーマ・トーマスのライブがあります。20年ぶりの来日でとても楽しみです。

【伊藤葉子】何と言っても11/5(土)に味の素スタジアムで行う「カフェ&ミュージックフェスティバル」です!原田知世、高野 寛、アン・サリー、tico moon with special guest 遊佐未森、コトリンゴ、naomi & goro!6組のアーティストと、全国からこれぞ!というカフェが19店舗、そして器や生活雑貨の「カフェマルシェ」や「古道具マルシェ」、カフェにぴったりな書籍や古書が集まる「ブックマルシェ」、珈琲の入れ方教室や素敵な書籍等のデザインについての「ワークショップ」などなど盛りだくさんでお待ちしています。ぜひお越し下さいね。

12月にはnaomi & goro, tico moonでクリスマスライブも。それからまだお知らせできませんが年末に素敵なイベントも予定しています。12/27の森山良子さんのコンサートには伊藤ゴローと吉野友加も出演いたします。

●パリの街角から

「ワインと言えば…」

こんにちは、フルール ド クールの阿部桂太郎でございます。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。先日、日本から知人がパリに来た時のこと、一緒にお酒を飲むことになりました。
まずは酒屋さんへ行ってワインを物色。続いては商店街を歩いて酒の肴を探します。

チーズ屋さんの前に差し掛かると、「チーズは私が買います」と言う知人。
ワインの代金を私くしが払ったので、チーズの代金は自分が…と気づかってくださったのでしょう。
しかし、その申し出を丁重にお断りして、隣りにあったシャルキュトリ(charcuterie:豚肉加工品店)で、ソーシソン セック(saucisson sec:サラミ)を買いました。

なお、ワインのつまみと言えばチーズ。
日本では、そんなふうにお思いの方も多いのではないでしょうか。
かくいう私くしも、日本にいた頃は、そう思っていました。

しかし、パリに来て、街にお酒を飲みに行ったり、友人と飲んだりする中で、必ずしも「ワインにチーズ」ではないことを知りました。

例えば、レストランでコース料理をいただく時にも、チーズが運ばれてくるのは主菜を食べ終えた後。
別な言い方をすれば、赤であれ、白であれ、ワインを飲み終える頃に出てきます。
もしもワインとチーズが本当に合うのなら、ワインと一緒に運ばれてくるとか、ワインの進み具合に合わせてチーズが出てきてもおかしくないはずです。

また、街中にある居酒屋さんに行っても、つまみの主流はハムやソーセージ、サラミなど。
チーズを置いているお店もありますが、それをつまみにワインを飲んでいる人は、あまり見かけません。

さらに、ワインの産地にある蔵元を訪ね、ご主人とワインを飲みながら郷土料理をいただいた時のこと。私くしが、ワインとチーズの相性について訪ねたら…、

「こればかりは人の好みだから、合わないとは言わない。でも、ワインもチーズも、それぞれに香りや味わい(コク)を楽しむものだから、お互いが主張し合うと(ぶつかると)合わないこともある。また、ワインとチーズを合わせる基本は、同じ産地のもの選ぶということだけれど、それでも合わないものは合わない。」…と。

 

かのナポレオンは、フランスのブルゴーニュ地方、ジュヴレ シャンベルタン(Gevrey Chambertin)の赤ワインと、同じブルゴーニュ地方のエポワス(Epoisses)というチーズがお好みであったとのこと。力強い味わいとして知られるワインと、「神の御み足の香り(イギリスでは、豚の足の指の間の臭い!)」と称されるチーズとの組み合わせは、何度試しても私くしは好きにはなれませんでした…。今回は、ワインとチーズについて、少しだけお話をいたしました。

阿部桂太郎

1965年8月22日生まれ。新潟県小千谷市出身。2003年よりフランス、パリ在住。インターネットショップ「フルール ド クール」を営む。好きなことは、旅をすること、食べること、温泉に入ること。

●国立の街角から

「大学通りのスターバックス」

スターバックスというのは本当に安定した人気があって、どの街でも混み合っている。しかし国立の大学通り沿いのスタバは、数ある店舗の中でも最も雰囲気と居心地のよいスタバのひとつではないかと思う。(だいぶひいき目に見ているかもしれないが。)ゆったりした店内からは外の緑がたっぷり見えて気持ちがいい。外にはウッドデッキのテラスが広がっていて、犬を連れた人々が一息ついている。電車で出かけて国立駅に戻り、あともう少し歩けば家に着くというのに、またふらりと立ち寄ってしまった。コーヒーのお供はシュガードーナツ。もちっとしていておいしい。

 

葉田いづみ
グラフィック・デザイナー。主に書籍のデザインを手がける。静岡県出身。2009年より国立に暮らす。

●西荻の街角から〜トウキョウエコノミー

東京本とモンドセレクションのゆくえ
(開発かコミュニティか、を乗り越えて)

文責:三品輝起

前口上から(読み飛ばしてください)。おマエ、西荻の街角からどうのこうの、という題名だけど、まったく西荻がでてこないじゃん。という声が聞こえてきたので、最近の村の印象を記すと、
・いろいろ不安もありグローバルなノマドとなるために閉店した自営店が数軒(ちょっとうらやましい)
・新しくできた自営店が数軒(なんだかうらやましい)
・ある日、地球(あるいはサン・ラ、本居宣長)レベルにまで徳が積みあがり、啓蒙主義的な自営店になっていたところが数軒(すばらしい)
・なぜかできてすぐ潰れた自営店が1軒(なんだかかなしい)
という感じで、合計すると相変わらず楽しいところだから、うちの店もがんばっていきたい(いまの夢はモンドセレクション。できれば金賞を受賞したい)といったところだ。

あとは、トーキョー何とかがどうのこうの、という題名だけど、おマエまったく東京がでてこないじゃんという声も聞こえてきたので、最近の東京について少し(「エコノミー」に関しては今回もまったくでてきません、すいません……)。

えー、いろいろと事情があって「東京」と名のつく本は、でるとすぐに買って読んでるのだが、震災以降もいくつか上梓されてる。売れてそうなものだと、6月にでた姜尚中トーキョー・ストレンジャー集英社(注1)、7月にでた建築家・隈研吾とジャーナリスト・清野由美による新・ムラ論TOKYO集英社新書(注2)などがあった。

東京本を3つにむりやり分類すると、
(1)アド街=泉麻人/東京人/ブラタモリ的な「文学系」
(2)どの街が伸びてどの街が衰退してる、どういう開発をすべき、といった日経/都市計画的な「経済学系」
(3)上記2冊もギリギリ入ると思われる「社会学系」
みたいな感じだろう。で、主に追っかけてきた(3)社会学系のお題目の一部分は、地震前でも後でもずっーと同じままだ。それはばらばらになってる社会の紐帯をどうするんだ、という話である。ただ震災後は「本気」で焦っているというだけだ。

でも一方で、都市論のなかで震災後にせりだしてきた論調もある。東京都が進めてる「天然ガス発電所プロジェクト」とか、港湾や河川の大規模な護岸工事、防災計画の抜本的な見直しとか、海岸部で壊滅した街を、高台を切り崩して移住させるタイプの復興計画とか、つまりお上が強く関与せざるをえない、ある意味では旧時代的な開発にいやおうなく注目が集まっている。また電力や水道といった、普段は湯水のごとく都民に供されてきた、インフラの脆弱性(と盤石性)にも気づかされた。オレに言われる必要もないでしょうが。

たとえば零年代に隈研吾氏を「丹下健三的」な大規模な都市計画を批判する「負ける建築」家として人々は拍手喝采で迎えたように、これからは脱権威的な下からの開発なんだという流れから、そういえば社会というのは景観やコミュニティがうんぬんという下からの動きだけ構築されてるんじゃなくて、上からの開発(優れたインフラストラクチャー)があったうえで成り立ってるんだった、という(当たり前の)ことが露顕しただけかもしれない。

だから上下の役割分担をきっちり認めあって、そうすれば両者をつなぐNPOやら地方分権やらの意義も自動的に導きだされるだろう、っていう議論もでてきている。なかにはその両方を止揚していこう、という大胆なアイデアだってあるようだ。9月にでた思想地図beta vol.2(コンテクチュアズ)という思想系のムック本にも、そういう話が載っている(注3)。でも長くなるので割愛する。

アメリカにはジェイン・ジェイコブズやリチャード・フロリダといった乗り越えるべき都市論の巨人がいて、最近では彼らを下敷きに(2)と(3)を縦横に行き来する著作がたくさんでてる(らしい。というのは古典以外読んだことがないので……いま必死で、鹿島出版会から4月にでたジェイコブズ対モーゼス(ニューヨーク都市計画をめぐる闘い)を読んでます)。これからは東京本にも、開発かコミュニティかを乗り越えようとする、含蓄のあるものがでてくるかもしれない。というわけで、再見っ(ツァイチェンッ)。

注1:『トーキョー・ストレンジャー』は、もう姜さんの顔写真載りすぎ(スナップが200枚はあるだろう、235ページなのに)。東大教授ミーツちい散歩、といった風情で、東京30カ所を巡る軽いエセー。

注2:『新・ムラ論TOKYO』では、下北沢、高円寺、秋葉原、最後は長野の小布施を2人で歩きながら、「人が安心して生きていける共同体のありかであり、多様な生き方と選択肢のよりどころとなる場所」と定義した「ムラ」を探していく。08年にでた『新・都市論TOKYO』の続編にあたる。この「都市論」と「ムラ論」は、それぞれ執筆された後に起こった、我々の社会の転換点ともいえる事件の予兆をはらんでいる。つまり、前作では8ヶ月後に起こるリーマンショックと世界経済の停滞を。そして今作では、未曾有の地震と津波、その後の原発事故によって奪われた「安心」という価値を。清野氏は「あとがき」で「都市を覆っているグローバリズムという経済至上システムのプレッシャーから逃れるべく、私たちは『ムラ』の可能性を探ろうと考えました」と書いているが、大人な隈氏がはっきりと、新自由主義のアンチテーゼとしてムラが語られる陳腐さも指摘しているあたりに、本書が凡百のコミュニティ本と一線を画してる要因がある。「自然との共生」といったキレイごとではなく、人々の欲望を肯定しつつ、かといって趣味趣向が合う者同士の狭いコミュニティを超え、なおかつ経済至上主義といったマジョリティではない多様な価値のよりどころ。言ってしまえば、本書はユートピア論だ。だが、その思考の射程は、震災後の我々にもちゃんと届いている。と思う。

注3:佐々木俊尚「震災復興とGov2.0、そしてプラットフォーム化する世界」。まだよく飲み込めてませんが「垂直統合するのではなく、復興をプラットフォームとして政府自治体が提供し、それらをモジュールである被災地と非被災地がそれぞれの方法で、有効活用することによって、それぞれの温度差をそのまま生かし、しかしそれぞれのアプローチで復興を目指していく」とのこと。うーん。

三品輝起(みしなてるおき)

79年生まれ、愛媛県出身。05年より西荻窪にて器と雑貨の店FALL (フォール)を経営。また経済誌、その他でライター業もしている。音楽活動では『PENGUIN CAFE ORCHESTRA -tribute-』(commmons × 333DISCS) などに参加。今年7月、アルバム『LONG DAY』(Loule)を発表。